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副作用を正しく理解しよう

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ステロイド薬は、膠原病の治療に大きく役立ちますが、いくつかの副作用もあります。
なかにはステロイド薬と聞くと、「できれば飲みたくない」 「早く服用量を減らしたい」と思う人もいます。 それだけステロイド薬は、副作用のイメージが強いところがあります。

しかし、ステロイド薬に限らず、病気を治すために使われる薬には、少なからず副作用は現れてくるものです。 また、病状が改善されれば、維持量といわれる少量の服薬ですむようになり、 これなら深刻な副作用が起こる心配はほとんどありません。 重い副作用についても、医療の進歩で予防法や対処法の研究が進んでいます。

もっとも懸念されるべきことは、副作用を恐れるあまり医師の指示通りの服用を怠って、 病状を悪化させてしまうことです。自分の判断で量を減らしたり、急にやめたりしないようにしましょう。

薬の作用・副作用を正しく理解し、服用量をしっかり守ることが、 副作用の軽減につながります。 起こりうる副作用については、以下をご覧ください。

感染症

ステロイド薬が白血球の機能を低下させることで、ウイルスや細菌、微生物などの外敵と戦う力が弱まり、 感染症が起こりやすくなります。この状態は「易感染」と呼ばれ、インフルエンザ、肺炎、結核などがあります。

ステロイド薬の量が多くなるほど、感染症が起こりやすくなります。 発熱、咳、息切れ、頻脈などの症状でわかります。自覚症状があれば早めに担当医に伝えましょう。

糖尿病

ステロイド薬を大量に投与してから2~3ヶ月後に現れることがあり、ステロイド糖尿病といいます。 血糖値を下げる働きがあるインスリンの作用を阻害するために、血糖値が高くなります。

日中の血糖値が高く、夕食後はあまり上がりません。また、空腹時には正常という特徴もあります。

予防や対処法は、ふつうの糖尿病と同じく、食事療法や運動療法が有効です。 インスリンを投与する方法もあります。医師の指示にしたがって行動してください。

また、糖尿病の遺伝的素因がない人は、服用量が減るにつれて糖尿病も改善されます。
しかし、遺伝的素因がある人は、真性の糖尿病になるので、インスリン治療を続けていく場合があります。

高血圧

ステロイド薬の投与後、数日から数週間で高血圧がみられる場合があります。 これは、血液中のナトリウムを増やす作用の影響で、血圧を高めてしまうためです。 治療には降圧薬を使っていきます。

脂質異常症

脂質異常症とは、コレステロールや中性脂肪などの、血中の脂肪成分が増えてくる状態をいいます。 大量の投与から1~2ヵ月後に現れます。 程度が軽ければ食事療法をおこない、重い場合は薬物療法が必要になります。

精神症状

長期間の多量服用では、精神状態に変化が起こることがあります。 これをステロイド・サイコーシスといいます。 全身性エリテマトーデスで多くみられています。 一過性のもので、いずれは消えますが、向精神薬などを使用することがあります。

白内障

ステロイド薬を長期間に大量に服用すると、ステロイド白内障が起こる場合があります。 白内障とは、目の水晶体がくもって、物が見えにくくなる病気です。高齢者によくみられます。

視力障害を起こすほど重いものではなく、白内障の発症が理由でステロイド薬の使用を中止することはありません。 気になる症状があらわれたら、早めに眼科で診察を受けましょう。

緑内障

緑内障とは、眼球の中の水の流れが悪くなり、眼圧が高くなって視神経を圧迫し、 視野が狭くなって失明に至る危険な病気です。 服用していて目の異常を感じたら、早めに眼圧の検査を受ける必要があります。

治療には、点眼薬や免疫抑制薬などを使用し、重い場合はステロイド薬を中止することもあります。 網膜に病変が及ぶようになったら、レーザー治療をおこないます。

胃腸障害

ステロイド薬を長期間服用すると、胃や十二指腸に潰瘍を発生させたり、 以前からあった潰瘍を再発させることがあります。 胃粘膜を保護する薬を併用して対処していきます。

骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨量が減って、骨がスカスカになってもろくなり、 骨折しやすくなる病態のことです。

ふつうは歳をとると骨量が少なくなりますが、ステロイド薬を大量に服用している場合には、 20代や30代の若い人でも骨量が減っていきます。

活性化ビタミンD製剤、カルシウム製剤、骨吸収抑制薬、ビタミンK2など、 骨を守るための薬を併用して対処していきます。 ただし、高齢者では高カルシウム血症による腎障害が起こることがあるので、 注意しながら使用していきます。

圧迫骨折

骨がもろくなっている場合には、転倒や背骨への衝撃に注意が必要です。 椅子に腰を下ろしただけで、圧迫骨折が起こることもあります。 脊椎が圧迫骨折するときは痛みがありますが、まれに痛みがないケースもあります。

痛みのある急性期には、鎮痛剤を使って対処していきます。 短期間だけコルセットを使うこともあります。

無菌性骨壊死

骨の末端部の細胞が死んで、組織が壊れてしまうもので、 全身性エリテマトーデスの患者さんの約10%にみられます。 ステロイド薬を使用してから約1ヶ月以降に起こりはじめ、 治療期間が長いほど起こりやすくなります。

もっとも起こりやすい部位としては大腿骨頭のほか、下腿の両端、足などがあります。
いずれも体重がかかる骨の部位に起こりやすいとされています。

大腿骨頭壊死の場合は、股関節が痛むので気づきやすいといえます。 一方、ひざの痛みではなかなか気づくことはできません。

壊死を早期に発見して、体重の負荷がかからないように工夫していくことが大切です。 歩行が困難になった場合は、外科的手術をおこないます。

副腎不全、ステロイド離脱症候群

長期間ステロイド薬を飲んでいた人が急に使用を中止すると、 副腎不全やステロイド離脱症候群をまねきます。

副腎不全とは、副腎が働かなくなっている状態で、倦怠感、関節痛、筋肉痛、 食欲不振、悪心、低血圧、体重減少、発熱などの症状がみられます。

ステロイド離脱症候群も副腎が働かなくなって起こるもので、発熱をはじめ、 副腎不全と似たような症状が現れます。 これらはステロイド薬の減量の速度をゆるめるなどで対策をしていきます。

満月顔貌(ムーンフェイス)、野牛肩

ステロイド薬は、体の脂質代謝に影響し、顔、首まわり、肩、胴体などの脂肪が多くなります。 逆に、手足などの四肢の脂肪は少なくなります。これを「中心性肥満」といいます。

なかでも女性の悩みになりやすいのが「満月顔貌(ムーンフェイス)」と呼ばれる症状です。 顔が丸くなっていき美容上の問題になってきますが、一時的なものなのでいずれは元に戻ります。 食事でカロリーを取り過ぎないように管理していくことが大切です。

また、肩甲骨の間に脂肪がたまると「野牛肩」と呼ばれる症状が起こります。 患者さんが腫瘤と間違えることがあります。

皮膚症状、にきび、多毛

ステロイド薬の長期服用によって、皮膚が薄くなったり、皮下出血したり、傷の治りが遅くなります。 にきびが出たり、多毛になることもあります。

ステロイド筋症(ミオパチー)

ステロイド薬のたんぱく異化作用によって、筋肉の細胞成分が分解され、 筋肉細胞が線維化する病態です。 医学では「ステロイドミオパチー」と呼ばれており、ミオは「筋肉」、 パチーは「病気」という意味です。

腰や脚の筋肉に脱力が起こるようになり、階段の上りがつらくなるといった症状が現れます。 ステロイド筋症は、薬の服用量が減ると消失していきます。

月経不順、無月経

ステロイド薬による下垂体からの卵胞刺激ホルモンの分泌抑制により、 月経不順や月経そのものが停止する場合があります。

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看護師の渡辺と申します。
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